ファンファーレの音と共に、
夫の輝いた笑顔がそこにありました。
いつかダービーを
厩務員(競走馬の身の回りの世話を行う職業)の夫は「いつかダービーを獲る!」と、酔うといつも熱く語っていました。
何の前触れもなく突然の心筋梗塞で亡くなってしまい、何が何だかさっぱり理解できず、葬儀の準備や来客の対応などに追われ、「なんでこんなに苦しい思いをしなければいけないのか」と、悲しみよりも苦しさのほうが強かったです。
ファンファーレ
バタバタしながらも迎えた通夜当日、式場へ入ると、夫が愛用していた乗馬道具がたくさん飾られていました。どれも生前の夫を思い出させるものばかりで、思わず泣き崩れてしまいました。そして、最後の出棺の時。大きなトランペットの音が流れ出しました。
G1レースのファンファーレでした。式場の外へ出ると緑の人工芝まで敷かれ、競馬場のようで、ダービーを獲り大喜びする夫がそこにいるように感じました。
通夜、葬儀とたくさんの皆様に来ていただき、私の心も慰められ、苦しみが感動に変わっていきました。これだけの大掛かりな式を短い時間の中で実現してもらい、本当にありがとうございました。
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