小さな我が子へ~家族がしてあげたいこと~【セレモニーホール文花堂会館】

七五三を控えた三歳の女の子。原因不明の突然死。

「故人」ではなく「娘」へ。ご家族の愛情を大切に形にしました。

ある日、突然に

昨年の夏、お母さまは夕飯の支度をして、女の子は部屋で遊んでいました。いつもと変わらない日常でした。お母さまが女の子のほうに目をむけると、女の子が倒れて意識がないことに気が付きました。救急で搬送され、一週間延命のため治療していましたが女の子はそのまま一度も目を開けることはありませんでした。病名も原因もわからない突然の別れでした。

ご家族の想いを詰め込んだお別れを

お寺で僧侶に来ていただき女の子を見送りたいというご家族のご希望がありました。そして、皆に来てもらって、皆に明るく見送ってもらいたいという希望もありました。しかし、仏式の葬儀の場合宗派によってできることとできないこともあります。その全てを取り払い、形にこだわらずにご家族のやりたいようにやりましょうと担当の小笠原さんは提案しました。

花のように明るく元気で皆に愛された女の子だからこそ、家族だけでなく皆でお別れしたい。

ご家族の想いを忠実に詰め込んだ式にすることにしました。

可愛いものに囲まれて

会場は女の子が好きだったアニメの歌がたくさん流れました。ロビーでは女の子の3年間の思い出の写真がスライドで流れます。祭壇の横に白い台を設け、たくさんのお友達がお菓子やぬいぐるみを山になるほど持ってきてくれました。

可愛らしいピンクや黄色の花であふれた祭壇に風船も飾りつけました。祭壇の生花をいけてくれた花屋さんと風船を飾り付けた花屋さんは別だったそうです。たくさんの花屋さんからご家族に寄り添ってくれる会社を探しだし、女の子らしい空間になるように形にしていきました。

想いをにカタチに

お菓子が入った籠盛(かごもり)を娘のために用意したいというご家族の想いがありました。しかし、残念ながらお菓子をいれた籠盛はなかったそうです。そこで小笠原さん達スタッフはたくさんのお菓子を用意して、女の子のためのオリジナルの籠盛を作りました。大きな籠いっぱいのお菓子は色とりどりの花に囲まれ、会場は明るく彩られました。ご家族は大変喜んでくれたそうです。

女の子は仏衣ではなく、七五三で着るはずだった着物を着ました。湯灌師の方に七五三の前撮り写真と同じようにお化粧もしてもらい、可愛らしい姿でたくさんの人達に愛され見守られ旅立っていきました。

【担当者の一言/小笠原さん】ご両親様の望む『お別れのカタチ』を具現化することはさることながら、悲しみ、懐かしむ時間、別れを告げる時間など安心して、佇む時間の大切さを感じたお葬式でした。

取材協力

株式会社文花堂(セレモニーホール文花堂会館)

〒431-3303 静岡県浜松市天竜区山東4557

TEL:0120-25-3436

【取材後記】大切な家族を突然亡くす悲しみはとても大きく、それが最愛のこどもだった時の悲しみは計り知れません。小笠原さんやスタッフの皆さんがご家族の心を大切にして丁寧に耳を傾け、誠実に寄り添っていることが伝わりました。

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