一緒に行った大好きだったマッチ(近藤真彦)のコンサート。
大好きだったマッチの曲で妻を送ってあげたいという思いを叶えたお葬式。
葬送用にアレンジされた「ギンギラギンでさりげなく」で式場が暖かい悲しみに包まれた。
大好きだったマッチ
結婚する前から、マッチの大ファンであった奥さんに連れられ、自然とファンになっていったご主人。妻を送るならこの曲がいいと思っていたのが「ギンギラギンにさりげなく」だったそうです。でも、葬儀でこのCDを流すのはどうなのか、と迷われていました。そんな時、葬儀の担当者が提案したのが、エレクトーン献奏。
「CDではなく、エレクトーンの生演奏はいかがでしょうか?ご葬儀式の雰囲気を壊さず、お好きな曲で送ってあげることができますよ。」この提案にご主人は大変喜ばれ、エレクトーン献奏を行うことに決めたそうです。
会場の雰囲気
奥様は40才。お子様が3人いて、一番下の子は幼稚園生とまだまだ手がかかる歳でした。葬儀には子供の同級生の父母など、200名を超えるたくさんの方が参列されました。まだ若い奥様の死に、会場は悲しみに包まれました。
「ギンギラギンにさりげなく」で会場の雰囲気が大きな悲しみに包まれる
悲しみに包まれた会場内に流れたのは、どこかで聞いたことがあるメロディー。それは、奥様の大好きな「ギンギラギンにさりげなく」でした。エレクトーンによって葬送用にアレンジされ、“献奏曲”として会場を包んだのです。
瞬く間に会場中がお別れの涙に溢れ、温かな雰囲気に包まれました。葬送に流すのは難しいと思われた「ギンギラギンにさりげなく」を献奏曲に変え、故人様のエピソードを最高の形に仕上げた。これは“献奏アーティスト中村”としての、今のスタイルをつくり上げた葬儀式となったそうです。そして、1000件以上の式で演奏してきた現在でも、この式のことを思い出すそうです。
その後の法要でも流される曲に
エレクトーンは電子楽器のため、CD制作が可能です。そのため、献奏としてアレンジされた「ギンギラギンにさりげなく」は、一周忌・3回忌にも流し、供養しています。ご主人・お子様たちはこの曲を聴きながら、奥様をより鮮明に思い出す良い時間を過ごされているそうです。
【担当者の一言/中村さん】これは、献奏の仕事を始めて、まだ間もない頃に経験したご葬儀でした。自身もまだ葬送での演奏について模索しており、故人様やご遺族がお好きで選ばれた曲を大きく変えてしまって良いものか・・・一体、生演奏に何が求められているのか、まだ理解できていませんでした。しかしこの式でご主人が、奥様が1番好きだった曲なのに、その曲で送ることに躊躇されていることを知り、奏者としてすべきことが分かりました。ご遺族が〝葬送に合う曲〟を探すのではなく、〝本当に1番好きだった曲〟を選んでいただけるのが、エレクトーン献奏の魅力。どんな曲も葬送に相応しくアレンジし、その方だけのオリジナル献奏曲に仕上げること。献奏が故人様らしい人生のフィナーレを飾り、献奏曲によって、更に強く故人様がご遺族の記憶に刻まれるよう、祈りながら演奏しています。
【取材後記】悲しい気持ちの中にも、奥様と過ごした楽しい思い出を思い出しながら、いつまでも心の中で生き続けるそんな素敵な供養のスタイル。そんな思い出をつくる、中村さんの演奏はプライスレス。無宗教葬が増えて行く中で、心のこもった送り方がこれからもっと広く浸透していくと思います。そんな時に中村さんの演奏が、あなたを感動の中に導いてくれるはずです。