先天性疾患をもって生まれた赤ちゃん
新生児集中治療室から一度も出れず、抱っこしてあげることができなかった。
お別れの時間……最後に担当者がとった行動は……
待望の出産
やっとの思いでさずかった我が子が生まれる。そんな期待に満ちた日々を送っていました。
そして産気付きいよいよ出産……ところが
先天性疾患
お医者さんから伝えられたのは「先天性疾患」
そのため新生児集中治療室で治療を行うことになりました
ところが生まれて5日後に最後の時を迎えました……
後悔ばかりが募る
お葬式の打ち合わせの時も力なく、生まれたきた子供に何もしてあげられない。
とても悔しく後悔だけが残っていました
最後に叶った切ない願い
担当の藤崎さんは、お母さんに「最後だから抱いて上げてください」と言って、棺に近づき赤ちゃんを抱え上げ、お母さんに抱いていただきました。そして、お父さん、おばあちゃん、おじいさん、みんなで大事に抱きかかえお別れをしていただきました
「生まれてきてくれてありがとう」感無量で式場は、温かな空気に包まれました。
【担当者の一言/藤崎さん】私も子を持つ親として、身につまされる思いでお手伝いをしました。「抱いてあげてください」と声をかけた時に「いいですか?」と目に涙を浮かべてつぶやかれた時のお母さん、お父さんの表情を見た時、我慢をしていたのだと思いました。棺という概念を捨て、赤ちゃんが眠るベビーベッドと考えたら抱き上げる事ができました。これからも儀礼文化を大切にしながら、概念にとらわれることなく、ご家族に寄り添ったいきたいと思います。
【取材後記】最後に赤ちゃんを抱いて上げることができた、それだけで少しだけ救われた気持ちになれたと思います。まさか棺に入ってしまっている赤ちゃんを抱っこできるとは、あたりまえと思っていた儀礼よりも、遺族が本当にさようならができる、そんなお葬式に感動してもらい泣きしてしまいました。