お母さんへ最後に贈る花【フラベルの花祭壇】

奥様への想いを手紙と花にこめて
悲しみをつつむ
やさしく広がる花の香り

早すぎる別れに悲しみが広がる

喪主はご主人。亡くなられたのは、その奥様でした。
ご夫婦には中学生と幼い二人のお子様がいて、式場全体は深い悲しみに包まれていました。
お母さんを失った悲しみは大きく、参列者の多くも涙をこらえることができないほどの、静かで重い空気が流れていたといいます。

手紙に込められた想い

お式の最後、ご主人が奥様に宛てた手紙を読み上げました。
言葉を詰まらせながら読み進めるその姿に、参列者の多くが涙をぬぐい、幼いお子様も涙をこらえながら、お父様のそばでじっと立っていました。


その場にいた祭壇担当の山﨑さんは入社してまだ一年も経たない頃。
先輩社員に同行しながら現場を学んでいた時期でした。
一つひとつの葬儀を見て覚える毎日。
この日の葬儀では、悲しみの深さや、ご遺族がその場で向き合う想いの重さを強く感じたといいます。この経験が、山﨑さんにとって仕事への向き合い方をより深めるきっかけとなりました。

悲しみを包む花の香り

祭壇には、奥様が生前に好んでいた花々が飾られ、会場にはほのかに花の香りが漂っていました。
淡い紫とやさしいピンクを基調とした花々が並び、その穏やかな色合いは奥様の人柄を映すようでした。ご家族の心がほんの少しでも明るくなりますように、そんな想いを込めて、一輪一輪が丁寧に飾られていました。

葬儀は、残されたご家族にとって心が張り裂けそうになるほどつらく、それでも進めなければならない時間です。お花を見ること、香りに触れることが、ほんのわずかでも気持ちをやわらげるひとときになれば。その願いを胸に、花祭壇が整えられていました。

最後の「ありがとう」を込めて

お別れの時間、ご家族が一輪ずつ花を手に取り、お母さんのそばに手向けていきました。
まだ幼いお子さんも小さな手で花を持ち、お母さんのいる棺の中にそっと添えました。
その光景を見つめながら、山﨑さんは、花を通してご家族の想いを支える仕事の尊さを心の中で静かに感じていました。

【担当者の一言/山﨑さん】
入社して間もない頃に行った葬儀で、まだ小さいお子さんがお母さんのいる棺に花を手向けるのを見て、涙が止まりませんでした。
故人様が安らかに旅立てるように、ご家族の方たちが後悔なく大切な人を送れるように、そこに花を通じて少しでも力添えできるよう、精一杯できることをしたいと思い続けるきっかけになった葬儀です。自分たちの携わったお花が、選んで頂いた方にご満足いただけるよう、日々邁進してまいります。

取材協力

フラベルの花祭壇
〒134-0081 東京都 江戸川区北葛西 1-22-19
TEL:0120-455-580
 FAX:03-5667-7681

【取材後記】
深い悲しみの中、心を張り裂けそうにしながらも送り出す準備を進めなければならないご家族。花はその想いに寄り添いながら、奥様のお人柄や生き様を花で表現し、思い出を彩ることができます。花祭壇を手がける方々の繊細な感性と、深い敬意に触れ、改めてこの仕事の尊さを実感しました。

タイトルとURLをコピーしました