葬儀には多くの伝統や慣習がありますが、その中で「箸渡し」という儀式があります。この儀式では、火葬された後に残る故人の骨を、2人が一緒に箸を使って持ち上げ、骨壺に入れる行為を指します。この行為は、故人が平穏にあの世へ旅立てるよう手助けする意味合いがあり、「骨上げ」「収骨」とも呼ばれています。
この儀式の背景には、故人が現世とあの世の間を流れる「三途の川」を安全に渡るための「橋渡し」する思いが込められています。「箸渡し」という名前は、この橋渡しを助ける行為と、箸を使う行為が同じ読み方であることから名付けられました。
ただし、「箸渡し」には宗派や地域によって異なるルールがあり、通常は男女のペアで行いますが、行わない場所もあります。そのため、参加する場合は事前にその葬儀のルールを確認することが大切です。
また、この儀式は死を連想させるため、普段の食事で2人が同じものを箸でつかむことは避けるべきマナーとされています。