「音楽葬」という新しいお別れのかたち

近年、「お経ではなく音楽で見送りたい」「好きな曲に包まれて旅立ちたい」という方が増えています。
そんな想いを叶えるのが「音楽葬(おんがくそう)」です。
宗教にとらわれず、人生の最後を“自分らしく”演出できるお葬式の形として注目されています。

音楽葬とは?

音楽葬とは、葬儀全体を音楽で構成する自由な形式のお葬式です。
ピアノやバイオリンの生演奏、好きなCD音源、映像と組み合わせる演出など、「その人らしさ」を音で表現することができます。

音楽葬でよく選ばれる曲

1.サラ・ブライトマン「Time to Say Goodbye」
 壮大で神聖な旋律が印象的。海外でも葬送の定番曲。
 →「自然に涙が流れた」「まるで映画のような感動」と、音楽葬を象徴する一曲です。

2.小田和正「言葉にできない」
 “ありがとう”の気持ちを静かに伝える名曲。
 →「最期のBGMにふさわしい」「涙をこらえられなかった」という声が多いです。

3.平原綾香「Jupiter」
 壮大なスケールの中に“生きることへの感謝”が込められています。
 →「勇気をもらえた」「悲しみの中にも希望を感じる」と、世代を超えて人気。

4.AI「Story」
 「あなたがいるから私は強くなれる」という前向きなメッセージ。
 → 「明るく見送りたかった」「故人の人柄に合っていた」と評判です。

5.スタジオジブリ『人生のメリーゴーランド』(久石譲)
 幻想的で温かいメロディーが印象的。
 →「ジブリ好きの祖母にぴったりだった」「柔らかく穏やかな空気になった」と好評。

6.安室奈美恵「Love Story」
 世代を問わず共感を呼ぶラブソング。
 → 「静かな曲調が心に響く」「“恋”だけでなく“愛”を感じられる」と選ばれます。

7.モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」
 神聖で透明感のある旋律が、厳粛な雰囲気にぴったり。
 → 「心が洗われるようだった」「静寂の中に温かさがある」との声。

8.エルガー「威風堂々」
 力強くも希望に満ちたメロディー。退場時に流すと印象的です。
 → 「人生を称えるようで感動した」「明るく終われた」と高い評価。

9.久石譲「One Summer’s Day」(千と千尋の神隠しより)
 どこか懐かしく、切ないピアノ曲。
 → 「優しさに包まれた」「“ありがとう”という気持ちが自然に湧いた」。

10.Amazing Grace
 世界中で愛される讃美歌。宗教を問わず使用可能。
 → 「静かに祈る時間に合う」「どんな式にも合う万能な一曲」です。。

音楽葬の注意点

音楽葬を行う際には、次のようなポイントを押さえておくと安心です。
せっかくの想いを込めた式が「思っていた雰囲気と違う…」とならないよう、事前の確認を大切にしましょう。


① 斎場の設備を確認する

音楽を流したくても、会場にスピーカーや再生機器が整っていない場合があります。
また、音量制限や再生時間の制約がある式場もあります。
事前に「どんな機材が使えるか」「Bluetooth接続は可能か」「生演奏はOKか」などを確認しておきましょう。


② 著作権の取り扱いに注意

市販のCDや配信音源を使う場合、著作権管理団体(JASRACなど)のルールに従う必要があります。
葬儀社が代行してくれることが多いですが、「好きなアーティストの曲を自由に流せる」とは限りません
使用したい曲がある場合は、早めに葬儀社へ相談しましょう。


③ 音楽の趣旨を家族と共有する

「明るい曲で送りたい」と思っても、家族や親族の中には「静かに見送りたい」と考える方もいます。
音楽の演出はとても個人的なものだからこそ、事前に話し合って納得しておくことが大切です。
小さなすれ違いが後でトラブルになるケースもあります。


④ 参列者への配慮も忘れずに

お葬式には世代の異なる参列者が集まります。
激しいロックや大音量の楽曲などは、驚かせてしまうことも。
「誰が聴いても穏やかに感じられる曲」を中心に選ぶのが無難です。


⑤ 葬儀社の「音楽葬プラン」を確認する

最近は、ピアノ生演奏や弦楽四重奏などの**“音楽葬専用プラン”**を用意している葬儀社もあります。
経験豊富なスタッフが進行をサポートしてくれるため、演出の失敗が少なく安心です。
「自分たちで音源を流すか」「プロに任せるか」も検討しましょう。

まとめ

音楽には、言葉では伝えられない想いを届ける力があります。
静かに、やさしく、そして自分らしく――。
好きな音楽に包まれて旅立つ「音楽葬」は、人生の最期を温かく彩る新しい選択肢です。

終活の中で、「自分が旅立つときに流してほしい曲」を家族に伝えておく。
それだけで、あなたらしいお別れの形がぐっと現実に近づきます。

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