株式会社オリハラ 営業推進マネージャー 山川さんにインタビュー

地域とともに歩む葬儀社　

東京都墨田区を拠点に、創業100年を超える歴史を持つ葬祭会社　株式会社オリハラ。
地域とのつながりを大切にしながら、多様化するニーズに合わせた柔軟な取り組みを重ねてきた同社。今回は営業部営業推進マネージャーであり、現場ディレクターも兼務される山川さんにお話を伺い、会社の理念や業務への思い、そして今後の取り組みについてお聞きしました。

100年を超えて歩み続けるオリハラ

オリハラは墨田区を中心に、100年以上にわたり地域とともに歩んできた葬儀社です。
下町ならではの人情やつながりを大切にしながら、世代を超えて地域の皆さまの暮らしに寄り添ってきました。その長い歴史の中で培ってきた信頼と実績は同社の大きな強みとなっています。

時代の変化にも柔軟に対応し、2023年には自社式場「ホール博善」をリニューアル。家族葬から大規模葬まで幅広く対応できる環境を整え、より多様なニーズに応えられる体制を築いています。

社員全員が大切にしているのは、お客様の想いを最優先にすることです。
まず「できません」と答えるのではなく、どうすれば実現できるのかを一緒に考える姿勢を徹底しています。この考え方は社長から社員まで一貫して共有されており、故人やご遺族の願いにできる限り応えていこうとする姿勢が同社全体に根付いています。最後の大切な時間を安心して任せていただけるよう、柔軟で温かな対応を心がけています。

山川さんのキャリアの歩み

山川さんは現在、営業推進マネージャーとして、施行件数をどのように増やしていくかを考えながら、会社を広く知っていただくための各種イベントの企画・運営に取り組んでいます。営業活動にとどまらず、現場で人手が必要なときには葬祭ディレクターとして直接受注や施行を担当することもあり、営業と現場の両方を担うことで地域の声をリアルに感じながら施策に生かしています。

もともとは損害保険会社の代理店営業に携わっており、自動車保険や火災保険、生命保険を扱うなかで、人の死と向き合う場面に触れることも多くありました。保険は残されたご家族にとって大切な支えになる一方で、「亡くなった後にもう少し直接お手伝いできる仕事をしたい」という想いが芽生え、葬祭業界への転職を決意。

入社当初の2年間は現場に専念し、葬祭ディレクターとして施行の流れを徹底的に学びました。その後、営業推進マネージャーとして約3年にわたり現職を務め、営業戦略と現場感覚を兼ね備えた立場から会社の成長と地域への貢献に力を注いでいます。

地域密着の葬儀 ― 下町ならではの特色

オリハラは創業以来、地域に根ざすことを大切にしてきました。
地域の方々の慣習や風習を尊重し、一般的な葬儀とは異なる部分にも柔軟に対応しています。社員同士で情報を共有しながら、地域に沿ったかたちでご意向に応える取り組みを続けています。

墨田区の特色のひとつに町会葬があります。町会の役員が受付や進行を担い、喪主と町会、葬儀社が一体となって葬儀をつくり上げる形式です。今でも年間に数件行われており、町会ごとにしきたりや想いが異なるため、その意向をくみ取って施行することが求められます。こうした地域性を尊重した柔軟な対応力は、オリハラならではの強みといえます。

大切にしている顧客対応の姿勢

ご遺族が葬儀を依頼されるとき、多くの場合は突然のことで心が動転しています。そのため、同社が大切にしているのはまずお話をしっかりと聞くことです。先に提案を押しつけるのではなく、話の中から本当に望まれていることを汲み取り、できる限り形にしていくことを心がけています。

葬儀は一度きりの大切な時間です。
たとえば「故人の好きだった曲を流したい」といった要望があれば、スタッフ総出で音源を探し、ギリギリまで実現に向けて努力します。当日に間に合い、遺族から「本当にありがとう」と言葉をいただけることが、社員にとって大きなやりがいとなっています。

アフターフォローの充実へ

オリハラは、100年を超える歴史の中で数多くのご葬儀をお手伝いしてきました。葬儀そのものに力を注いできた一方で、”葬儀が終わったらそこで終わりではない”という考えを大切にし、近年はアフターフォローにも力を入れ始めています。

ご遺族にとっては、葬儀を終えた後から本当の生活の変化が始まります。
法事や後返し、位牌の準備に加え、相続や土地・ライフラインの名義変更、遺品整理といった課題が次々と訪れます。とくに突然のご逝去では、何から手をつけてよいか分からず、不安を抱えたまま時間が過ぎてしまうことも少なくありません。そうしたときに寄り添い、安心して日常を取り戻せるよう支えていくことを、新しい役割としています。

こうした取り組みを重ねることで、「おばあさまの葬儀をお願いしたから、次はおじさまのときも」といったように、ご家族の中で再び声をかけていただける機会も増えてきました。社員全体で思いを共有し、チームとしてご遺族に寄り添うことで、一度のご縁からご家族全体とのつながりを長く育んでいく姿勢を大切にしています。