父を見送った三兄弟の
最後の涙の誓い
葬儀が結び直した家族の絆
兄弟の不仲と葬儀への不安
お父さんを亡くされた三兄弟によるお葬式。
三人の息子さんはまだ三十代と若く、幼い頃からとにかくやんちゃで、顔を合わせれば喧嘩になることもしばしば。成長してからも互いの距離は縮まらず、疎遠な時間が長く続いていました。
喪主を誰が務めるかという場面でも意見が割れ、長男と次男がどちらも譲らず、最終的には「二人連名で喪主を務める」という結論に。普段の関係性を知る親族の中には、葬儀の場で再び衝突してしまうのではないかと不安を抱く方も少なくありませんでした。

父を想う気持ちが兄弟を結んだ
葬儀当日、三兄弟の胸に共通していたのは「父をしっかり見送りたい」という思いでした。
式が進む中で険しい空気はなく、涙ながらに父との別れを受け止める姿がありました。普段は言葉を交わすことも少なかった三人が、父の存在を前に自然と心を寄せ合う様子は、親族にとって大きな安心となりました。
式の最後となるお花入れの時間。
棺のそばに並んだ三人は、手にした花を一輪ずつ添えながら「親父、ごめん」と声を詰まらせました。涙で顔を歪めながら続いた言葉は、「俺たちが間違っていた。親父が本当に喜ぶのは、三人が仲良く生きていくことだと思う。これからは仲良くするよ」という誓いでした。
長い間不仲を抱えてきた三人が、父の棺の前で改めて心を通わせた瞬間。その言葉には悔いと反省、そして未来への希望が込められていました。

叔父の一喝と家族の気づき
その場を締めくくったのは、お父様の弟である叔父様の言葉でした。
「お前たちは今まで間違っていた。今言ったように、これから三人で仲良くすることが一番の親孝行なんだ」と、強く諭したのです。
その言葉は叱責であると同時に、父の代わりに兄弟を導く温かな想いが込められていました。

葬儀が残した大切なもの
この葬儀を通じて、兄弟の関係は大きく変わりました。
もし父の死と葬儀がなければ、再び顔を合わせることも、仲直りを誓い合うこともなかったかもしれません。葬儀は別れの場であると同時に、残された人々の関係を見直し、人生に新しい意味を与える時間でもあります。
お父様を失った悲しみの中で、絆を取り戻した三人の息子さんたち。棺の前で交わした「これからは仲良く生きていく」という約束は、家族や親族全員にとって忘れられない出来事となり、天国のお父様にとってかけがえのない供養となりました。

【担当者の一言/山川さん】
兄弟が自分たちの在り方を見直し、亡き父の前で叔父から叱責を受ける。
そして今後は兄弟で協力しながら生きていく決心をする。葬儀とはこんなにもドラマティックな展開をも生むことができ、今後の人生に大きな影響を与えることができるものなのだと改めて感じました。同時にその葬儀をプロデュースする責任の重さを深く感じました。
株式会社オリハラ
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【取材後記】
葬儀は大切な方を偲ぶと同時に、ご遺族が想いを分かち合い、新しい一歩を踏み出すきっかけとなる場でもあります。深い悲しみの中で交わされる言葉や涙には互いを支え合う温かさがあり、その絆がお父様への大切なご供養につながると感じました。
