
「お盆は何をしたらいいのかは分かるけど、逆にやってはいけないことって?」
毎年やってくるお盆ですが、いざ準備を始めると、意外と見落としがちなのがNG行動。
お盆は、ご先祖様をお迎えし、ともに静かに過ごすための大切な時期です。
だからこそ、「知らずにやっていた…」ということがないよう、今回はやってはいけないこと10選を丁寧に解説します。今年のお盆、どう過ごせばいいのか迷っているという方も、ぜひ参考にしてください。
①海や川に入るのはNG?
理由:水辺は霊が集まるとされているから
お盆期間中は「海や川に入ってはいけない」という言い伝えを聞いたことがある方も多いでしょう。
これは、ご先祖様の霊が現世に戻ってくる時期とされており、水辺に集まりやすいと考えられてきたためです。
また、「霊に引き込まれる」と言われることもあり、実際に水難事故が多くなる時期としても知られています。
【ポイント】
・お盆中の水辺のレジャーは避けるのが安心
・特に13日〜16日は注意
・子ども連れの方は事前に話しておくのがおすすめ
➁騒がしいレジャーやイベントは控える
理由:静かに故人をしのぶ期間だから
キャンプ、BBQ、花火大会、カラオケ、パーティーなど楽しそうなイベントも多い夏ですが、お盆の間は静かに過ごすのが基本とされています。
ご先祖様が家に帰ってきていると考えるこの期間。
にぎやかすぎる行動は供養の気持ちがないと捉えられてしまうこともあります。
【ポイント】
・お盆明けに思いっきり遊ぶのも一案です
・家族でのお盆供養を最優先に
・レジャーは時期をずらして楽しむのがベター
③お祝いごと・引っ越しは避けよう
理由:慶事は時期を選ぶべきとされているため
お盆中に避けるべき行動のひとつが結婚、出産報告、引っ越し、新築祝いなどのお祝いごとです。地域によっては仏事の時期に慶事を重ねるのは縁起が悪いとされることも。
必ずしも迷信ではなく、節度を持って静かに過ごす期間という考え方に基づいています。
【ポイント】
・お祝いの発表は時期を見て調整を
・引っ越しや入籍は、お盆明けにする方も多いです
・気にしない派でも、ご家族や義実家の考えを尊重すると◎
④殺生(生き物を殺す行為)は避けましょう
理由:仏教では命を奪う行為を避ける教えがあるため
魚釣り、虫取り、草刈りなど、一見レジャーや作業の一環にも見える行動ですが、お盆期間中は殺生を避けるべきとされています。これは、仏教的な教えのひとつでもあり、供養の期間中は命を大切にする心を持って過ごすことが勧められているのです。
【ポイント】
・命あるものすべてに敬意を持つことが大切です
・子どもの遊びでも注意が必要
・害虫駆除や庭木の剪定なども、時期をずらすのが安心
⑤仏壇や供え物を放置しない
理由:ご先祖様への失礼にあたるから
供え物が腐っていたり、線香が途中で切れていたり…。とりあえず飾っただけでは、気持ちのこもった供養とは言えません。特に暑い時期は、果物やお菓子が傷みやすいため注意が必要です。
また、花瓶の水も濁りやすく、こまめな交換を心がけましょう。
【ポイント】
・供え物は毎日取り替えるのが理想
・花や果物は少量ずつ用意するのがおすすめ
・仏壇まわりの整理整頓も供養の一部です
⑥親族とのトラブルを招かないように
理由:大切な行事が、気まずい場になってしまうから
お盆は、親戚が集まる数少ない機会でもあります。
そのぶん、家事の分担や言葉づかい、価値観の違いなどで、思わぬトラブルに発展することも。特に義実家との関係では、気遣いと役割分担がポイントになります。
【ポイント】
・無理をせず、市販品や外注の利用もOK
・準備は1人で抱え込まず、分担を
・嫁・妻だけに任せず、家族全体で協力を
⑦精進料理の意味を忘れない
理由:お盆は殺生を避ける=精進料理での供養が基本
肉や魚を使わず、野菜や豆を中心とした精進料理は、お盆の食文化の一つ。
派手な料理や外食よりも、質素でも心のこもった料理が供養にふさわしいとされています。
【ポイント】
・難しい場合は、スーパーの精進弁当も利用OK
・味噌汁、炊き込みご飯、煮物などが定番
・故人の好きだった食材を添えるのも良い供養に
⑧無理な日程・過密スケジュールは避ける
理由:気持ちが整わない供養は本末転倒に
13日に迎え火、14日は法要、15日は親戚と会食と詰め込みすぎると、供養の本来の目的である故人を偲ぶ時間が取れなくなってしまうこともあります。
【ポイント】
・気持ちが伴うことが一番大切です
・自分たちの生活に合った無理のないお盆を
・必要なら一部は省略や代用も検討してOK
⑨お墓参りでのマナーを守る
理由:周囲とのトラブル防止と敬意の表れとして
お盆の時期はお墓も混雑しやすく、マナーが問われる場面も増えます。駐車場の使い方、ごみの持ち帰り、花の管理など、ちょっとしたことがトラブルの種になることも。
【ポイント】
・他の墓地や通路に立ち入らないように注意
・ごみは必ず持ち帰る
・花立ての水は定期的に交換
⑩お盆に無関心にならない
理由:ご先祖様への感謝が薄れてしまうから
「忙しいから何もしない」「誰かがやってくれるだろう」と、お盆を他人ごとにしてしまうのは、供養の意味を忘れてしまうことにもつながります。形式はシンプルでもかまいません。
手を合わせ、感謝を伝える。その気持ちが何よりも大切です。
【ポイント】
・お盆をきっかけに、家族で話す時間をつくる
・時間が取れなくても、手を合わせるだけでもOK
・家族で1つでも供養の行動を取り入れる
まとめ|「やらないこと」を知れば、お盆はもっと心に残る時間に
お盆にやってはいけないことは、どれも静かに、心を込めて過ごすことを大切にするためのルールです。
必ずしもすべてを厳密に守る必要はありませんが、ご先祖様に敬意を持ち、感謝の気持ちを伝える姿勢こそが、最も大切なお盆の本質です。
今年のお盆も、気持ちよく穏やかに――大切な人との時間を、心豊かにお過ごしください。