クレイジーで
誰よりも愛情深かったおじいちゃん
祖父の生涯は家族への深い愛情に満ちたものでした
クレイジーで最強だったおじいちゃんの最期
「祖父はもともととても元気で、体も丈夫。
車にぶつけられても死ななかった、という逸話があるほどです。」
そう語るのは、2年前の冬、お祖父さまを見送ったお孫さん。
山で暮らし、自然とともに生きてきたおじいちゃん。
豪快で自由で、そして家族への思いやりにあふれたその生き様は、残された家族の心に深く刻まれていました。

自然とともに生きた暮らしのままに
おじいちゃんは冬になると毎朝4時に起きて薪をくべ、家族のためにストーブを温めるような人でした。
鶏を世話し、山へ入り、山菜やキノコを採り、川では投網で魚を獲る──
そんな自然とともにある暮らしを、亡くなる直前まで変わらず続けていました。
晩年は膀胱がんを患いましたが、「病院には極力入りたくない」という本人の意志を尊重し、自宅での時間を大切に過ごしました。
そして病院に入り、家族に見守られながら静かに息を引き取りました。
真っ白な花でかたどる雄大な山々
「山が生活の一部だったから、盛大な山のような祭壇で送りたかった」
家族がそう語るように、祭壇には一面に真っ白な花があしらわれていました。
花の配置には高低差がつけられ、奥行きのある構成で、まるで大きな山を仰ぎ見ているような荘厳さを湛えていました。
真っ白な花々は、どこまでも純粋で、優しくて、それでいて力強い。
荘厳で雄大な祭壇はまさに祖父の人生を映し出すような、特別な祭壇でした。

おじいちゃんとの思い出
会場の一角には、おじいちゃんとの思い出を展示した思い出コーナーも設けられました。
中でも目を引いたのが、大きな投網。
大きく広げられた投網の中には、川で一緒に獲った魚の写真が丁寧に貼られ、
「魚を獲っている姿がそのまま浮かぶ」と、訪れた人たちが足を止めて見入っていました。

おじいちゃんが大切に育てていた食用の鯉。
その中でも特に大きく真っ黒な一尾を、家族で相談し、しめて供えました。そして、毎朝のように拾い集めていた烏骨鶏の卵も、供物として祭壇に添えられました。
それはおじいちゃんの暮らしをそのまま表現したような、深い想いの込もった供え物でした。
葬儀人として、孫として
この葬儀を手がけたのは、お孫さんであり、現役の葬儀社スタッフの伊東さん。
葬儀社で働いているプロとしてミスは許されないという緊張感がありました。
自然とともに生き、家族を想い、人生を楽しんだおじいちゃん。
その最期をおじいちゃんらしく盛大に送り出せたことは、家族にとっても大切な誇りになりました。

【担当者の一言/伊東さん】
今回祖父の祭儀を執り行い、葬儀社側の目線はもちろん、親族の目線や気持ちなど様々な部分で勉強になりました。祖父には感謝の気持ちと無事お見送り出来たことが誇りです。
祖父に教えられたことを継承し今後の人生の糧として生きていきます。
有限会社ちゅうそう
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【取材後記】
自然とともに生き、家族のために力強く生き抜いたお祖父様。葬儀のすべてに、お祖父様への敬意と愛情がにじみ出ていました。盛大に、でもやさしく包み込んだお式は、お祖父様の人生をそのまま映し出すようなまっすぐで温かい時間でした。
