凍結リスクに備える!相続手続きがスムーズになる銀行口座の情報整理術

銀行口座の生前整理が見落とされがちな理由

終活でよく話題になる「生前整理」。
写真の整理や不用品の処分には取りかかっても、銀行口座などの“お金”の情報整理はつい後回しにしてしまう人が多いのが実情です。

「通帳やキャッシュカードさえあれば大丈夫」と思われがちですが、実際にはそれだけでは不十分です。
名義人が亡くなった時点で銀行口座は凍結され、預金の出し入れはできなくなります。突然の事態に備えて、今のうちから準備を始めることが重要です。

口座凍結がもたらすリスクとは?

銀行口座の凍結は、口座の不正使用を防ぐための制度ですが、残された家族にとっては思わぬ負担になることがあります。たとえば、葬儀費用を故人の預金から出そうと思っても、凍結された口座からはすぐにお金を引き出すことができません。

仮払い制度を利用すれば一部の出金は可能ですが、そのためには相続人全員の戸籍謄本や遺産分割協議書などの書類をそろえる必要があり、時間と労力がかかります。
さらに、遺産分割協議が長引けば、相続手続きも遅れ、口座維持手数料が発生したり、10年放置すれば休眠口座になる可能性もあります。

事前に整理すべき銀行口座情報とは

こうした事態を防ぐためには、生前に銀行口座の情報を整理しておくことが大切です。
単に通帳やキャッシュカードを残すだけではなく、家族がすぐに状況を把握できるよう、必要な情報を一覧にまとめておきましょう。

【まとめておきたい情報の例】
・銀行名、支店名、口座番号、暗証番号(※別途管理)
・通帳、キャッシュカード、印鑑の保管場所
・各口座に紐づく引き落とし(公共料金・クレカなど)や入金(年金・配当など)

このような情報は、エンディングノートや遺言書と一緒に保管しておくと安心です。

ネット銀行を利用している場合の注意点

近年では、ネット銀行の利用者も増えてきました。通帳が発行されないネット銀行は、遺族が存在に気づかないリスクがより高くなります。

ネット銀行の場合、ログイン用のIDやパスワードが必要不可欠です。これらはセキュリティの観点から慎重な取り扱いが求められますが、かといって誰にも伝えずにいると、いざというときに手続きができなくなる可能性も。

ID・パスワードの管理には、信頼できる家族にだけ伝える、あるいはパスワード付きファイルで保存しておき、その保管場所を明記するなどの工夫が求められます。

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