お葬式のむさしのディレクター 新井さんにインタビュー

地域に寄り添い、秩父に根ざす

埼玉県秩父市に本社を構えるお葬式のむさしのは、西武秩父・大野原・小鹿野の3拠点に5つの式場を展開し、地域密着型の葬儀サービスを提供している葬儀社です。地域特有の風習に精通したスタッフが在籍し、地元の方々の信頼を得ながら、多くのご家族に安心と感謝の時間を届け続けています。

今回は、小鹿野町の会場を中心に約15年にわたり従事する新井さんに、お話を伺いました。

会話を通して築く信頼関係

お葬式のむさしので働くきっかけは、20代の頃。
前職はこんにゃく工場に勤務しており、同じ業者が出入りしていた縁で声をかけられたのが始まりでした。
正直、最初は何も知らないまま面接を受けました。でも働いてみて、こんなにも感謝される仕事なんだと驚きました。

新井さんが大切にしているのは、ご家族との信頼関係。形式的なやり取りではなく、2〜3日を共にする中で自然な距離感を大切にしているそうです。
“仕事です”という感じになりすぎず、でも馴れ馴れしくもなりすぎず。ご家族と一緒に過ごす時間が長いからこそ、話しやすい雰囲気づくりを意識しています。

地元を知るスタッフがいる安心感

お葬式のむさしのの特徴の一つは、秩父という地域に根差した知識です。
秩父地方では「火葬を先に行い、葬儀を後に行う」という独自の風習があります。

むさしのでは、そうした風習の背景や意味を丁寧にご説明し、ご遺族にもご参列の方にも安心していただけるよう努めています。旅支度もご家族と一緒に進める“参加型”の葬儀スタイルで、それも秩父らしさの一つです。

また、地域特有の人付き合いや慣習にも精通しているのが、むさしのの強みです。これは、長年地域と関わってきたからこそできることだと思っています。

地域経済を支えるユニークな取り組み

お葬式のむさしのは、葬儀業にとどまらず、地域の経済活性化にも力を入れています。
その一つが、地元の個人商店で使える専用商品券の配布です。

入会特典やイベントの抽選会などで配っている商品券は、うちの葬儀費用には使えません。代わりに、地元の小売店や飲食店で使えるようになっていて、お店側には我々が後日換金しに行く仕組み。地域の商店を応援したいという思いから始めた取り組みです。

コロナ禍でイベントは一時中断したものの、今後の再開に向けても模索中とのこと。

仲間とともに、地域とともに

「お葬式のむさしの」では、理念として以下の3つを掲げています。

  1. ご家族の気持ちに寄り添い、想いを形にすること
  2. 地域に根ざし、地域に貢献すること
  3. 働く仲間の志を大切にし、助け合うこと

その理念を体現するように、新井さんは日々、地域とご家族と真摯に向き合っています。

「この仕事は自分に合っていると思います。人と話すのが好きで、特に“説明すること”が自分のやりがいなんですよね。納棺の儀でも“これはこういう意味があって…”と丁寧に伝えると、皆さんが“なるほど”って頷いてくれる。その瞬間がうれしいんです。」

お葬式のむさしのは、形式だけでなく“想い”の部分を丁寧に紡いでいく葬儀社です。
地域を知り、人を想い、その土地ならではの文化や風習を守りながら、ご家族とともに大切な時間をつくっていく――その姿勢が、地元の人々に長く選ばれ続ける理由なのかもしれません。


取材協力

株式会社むさしの(お葬式のむさしの)

〒368-0005 埼玉県秩父市大野原590-3
TEL:0494-25-3794 FAX:0494-25-3332

【取材後記】
新井さんのお話からは、秩父の風習を守りながらも柔軟に対応する姿勢と、日々の仕事に対する誠実さがにじみ出ていました。ご家族や地域の方との丁寧な関係づくりなど、葬儀にとどまらない地域貢献の姿勢が印象的でした。人と地域にまっすぐ向き合う姿が多くの信頼につながっていると感じます。

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