とまった心がもう一度歩き出した日 【Letter Flower】

兄を亡くしてとまった時間
誰にも言えない悲しみ

その長い時間をやさしく癒してくれました

兄の突然死

グリーフケア専門のヒプノセラピーを行うLetter Flower。セラピストのあやはなさんが仕事を始めたきっかけは、20年以上前に遡ります。

20代の頃、大切な兄が突然旅立ちました。
6歳年上で、幼い頃からいろいろなことを教えてくれた尊敬する存在
あまりに急な別れに、心が追いつかず、ただ日々をこなすことに精一杯の毎日が続きました。

職場ではいつも通り働き、友人の前では明るく振る舞っていたものの、心の中にはずっと言葉にできない寂しさや苦しさがありました。
「私はもう、幸せになってはいけないのかもしれない」――そんな思いが心に残っていたのです。

身近に同じ経験をした人がいなかったこともあり、誰にも話せず、一人で抱え込んだ悲しみは表に出すことなく心の奥に沈んでいきました。
そしてそのまま15年という年月が経っていました。

一冊の本との出逢い

そんなある日、たまたま手にした一冊の本が転機となりました。
その本は、アメリカの精神科医が実際に行った「前世療法」に関する実話でした。

「これを受ければもしかしたら自分も変われるかもしれない」
僅かな希望を感じたあやはなさんは日本でもヒプノセラピーという名前で受けられることを知り、実際にセッションを受けに行くことに
しました。

驚くことに、たった一度のセッションで長年抱え続けていた悲しみや苦しさが癒されていきました。そして、そこから「前を向こう」と思える自分がいました。

誰かの力になりたいという想い

その経験が、生き方を大きく変えるきっかけとなりました。
「自分と同じように、長く悲しみを抱えたままの人は、きっと他にもたくさんいる。今度は私が、その人たちの力になりたい。」
そう心に決め、学びを始め、やがて勤めていた会社を退職。

グリーフケアとヒプノセラピーの両方の知識を身につけ、2023年にはグリーフ専門ヒプノセラピストとして「Letter Flower」を立ち上げました。

グリーフ専門を名乗るという選択

死別を経験した方の中には、情報を調べる中で「グリーフケア」という言葉に初めて出会う方も多くいます。けれど、「ヒプノセラピー」という選択肢までたどり着く方は、実はまだ少ないのが現状です。

もちろん、グリーフケアにたどりついてもらえるのはとても大事なことです。
でも、語るだけでは癒されない部分もある。だからこそ、ヒプノセラピーを通じて、より深い癒しにつながってほしいという思いがありました。

こうした想いから、検索などでも見つけてもらいやすいように「グリーフ専門のヒプノセラピー」と明確に打ち出すことに決めたといいます。
「見つけてもらいやすくすることが、必要な人に届く第一歩になる。だからこそ“専門”と掲げることにしました。」

大切な存在を亡くした人たちが、もう一度自分らしく生きられるように。
あやはなさんは、静かに、でも確かな思いで寄り添い続けています。

【最後に――あやはなさんの想い】
大切な存在を亡くしたお話や抱えているお悩みはお一人おひとり異なりますし、それを話せるようになるタイミングも人それぞれです。
仕事・家庭・恋愛・人間関係などの悩みの裏側には、死別が関係していることもあります。今日を生きることが精一杯の方も、答えの出ないことに悩んでいる方も、じっくりお話を伺いサポートさせていただきます。

取材協力

 Letter Flower
オンライン/東京/横浜
ホームページ:https://letterflower-hypno.com 
e-mail:info@letterflower-hypno.com

【取材後記】
ヒプノセラピーに出会い、悲しみを癒したあやはなさんの経験が今は誰かの心に寄り添う力になっていることに、深い意味を感じます。
グリーフケア、そしてヒプノセラピーという選択肢が喪失の悲しみを抱える人のもとにもっと届きますように。あやはなさんの活動が、これからもその架け橋となっていくことを願っています。

タイトルとURLをコピーしました