
心に花を届ける
今回お話を伺ったのは、岐阜県で花屋「MIHANA」を営む「野村 孝明」さんです。
嬉しい事があった時、悲しみを共有した時。
感謝の想いに気づいた時、新たな一歩を刻み出す時。
人々は様々なシーンでまわりの方々に想いを届けたいと思います。
MIHANAは、より多くのお客様に花の美しさを楽しんでいただけるよう、 心を込めた花をお届けし、大切な気持ちを伝えるお手伝いをいたします。
MIHANAでは、一つ一つ丁寧に心を込めたお花とお客様の心をお届けします。



大切な時に寄り添う花屋として
岐阜県の花屋さんとして昨年(2024年)4月に開業したMIHANAは、現在、野村さんとご両親の3人で営む花屋です。MIHANAは実店舗を持たず、葬儀に関わるお花全般を取り扱いながら、ギフト用のフラワーアレンジメントや観葉植物の販売、さらには葬祭業のプロデュースも手掛けています。

花の世界への歩み
野村さんは18歳の頃から16年間、花屋で働いていました。その中でも特に葬儀部門に携わり、経験を積んできました。
高校卒業後、お父様から「一緒に働こう」と声をかけられたことがきっかけで、花屋の世界へ足を踏み入れました。当初は仕事をこなすだけで精一杯でしたが、中学時代の友人が亡くなり、彼女の葬儀で見た祭壇に感動し、「自分もこんな風にできるようになりたい」と本格的に取り組むようになったといいます。

心に花を添えるために
MIHANAという名前は、「心に花」と書いて「みはな」と読みます。
「世の中にはたくさんの花屋があるけれど、心を込めた花を届けることにおいては負けたくない」という強い想いが込められています。
「泥臭くてもいいから、心のこもった商売をしたい」と語る野村さん。お客様の声を何よりも大切にし、色合いや品質に細心の注意を払いながら、お客様の心に寄り添う花を届けることを目指しています。
例えば、ご葬儀の際に『故人がこの花が好きだった』と担当者様から伺った場合、可能な限りその花を探すように心がけています。少しでもお客様の気持ちに寄り添うことができれば、という想いでやっています。


「ありがとう」が原動力
この仕事をしていて「よかった」と思う瞬間。
例えばご葬儀の時だと喪主様や参列者から「ありがとう」と言われたとき。
特に「故人にぴったりの祭壇だった」と言われると、大きなやりがいを感じるそうです。
『頼んでよかった』『すごく立派だった』『綺麗だった』という言葉をいただけると、本当に嬉しいですね。

葬祭業のプロデュースを始めた理由
MIHANAが葬祭業のプロデュースを手掛けるようになった背景には、野村様自身の深い悲しみがありました。
昨年、6歳の息子を交通事故で亡くしました。大切な人を失う悲しみと辛さは、言葉では言い表せません。
生きることすら辛かった日々でした。
でも、周囲の方々の励ましの中で、大切な人をなくす悲しみを改めて知り、それを少しでも和らげるお手伝いをしたいと思いました。
後悔しないようにお世話になった方に感謝を伝えてほしい。
悲しみに寄り添い、少しでも心を軽くするお手伝いができればと思い、葬儀のプロデュースを始めました。
息子は、人の気持ちを誰よりも思いやれる優しい子でした。
そんな息子に顔向けできるように、誰かの心を温かく照らす存在でありたいと思っています。
MIHANAの花には、単なる美しさだけではなく、深い想いが込められています。
お客様の気持ちを大切にしながら、一輪一輪に想いを託し、人生の特別なシーンに寄り添う花屋でありたいと願っています。
〒504-0008
岐阜県各務原市那加桐野町1-44
TEL:(058)338-1055 FAX: (058)338-0596
【取材後記】
ご自身のご経験をもとに「悲しみに寄り添う花を届けたい」という優しさを持ち続けていることが印象的でした。特に、亡き息子さんへの想いが今のMIHANAの活動につながっていることには、言葉にできないほどの重みを感じました。
多くの方の大切な瞬間を温かく彩り、誰かの心に温かさと優しさを届ける素敵な花屋さんでした。
