家族の選択。
赤ちゃんにとって最期の温かい贈り物となる事を願って、、
ご家族の切実な声
蒸し暑い夏の日、一本の電話が入りました。「社長と直接お話ししたい」とのこと。お話を伺うと、生後数か月の赤ちゃんを突然亡くされたご家族からのご相談でした。そのときすでに別の葬儀社で火葬の予約も済ませ、打ち合わせも進んでいるものの対応に不満を感じておられたそうです。

後日、ご来館いただき、まずはご家族の思いをしっかりとお聞きしました。お父様とお母様は、赤ちゃんの突然の死にどう向き合えばよいのか分からず、どこかで少しでも寄り添ってくれる存在を探しておられるようにも見えました。最初に依頼されていた葬儀社での対応は、どこか事務的で冷たく、流れ作業の様に進んでいっていると感じられたそうです。そのような中、弊社の口コミをご覧になり、「ここなら話を聞いてくれるかもしれない」と訪ねてきてくださったのです。
心を和らげる提案
お父様とお母様が抱える悲しみや戸惑い、不安を一つひとつ丁寧に伺う中で、少しずつお二人の表情が和らいでいくのを感じました。私たちからは新しくオープンしたリビング型の家族葬ホールをご紹介しました。家族がリビングのようにくつろぎながら、大切な赤ちゃんと最後の時間を過ごせる空間です。ご家族だけで、誰にも気兼ねすることなく、赤ちゃんを見送る。その温かい空間が、お二人の心を少しでも癒してくれるのではないかと考え、ご提案をお伝えすると、「ここなら安心してお願いできる」とおっしゃっていただき、最終的に弊社にお任せいただけることになりました。

赤ちゃんのために用意したのは、少し大きめの棺でした。お父様とお母様が「これを一緒に持たせてあげたい」と選んだおもちゃやお洋服を納めるためです。火葬の日程についても、お別れの時間がゆっくり取れるように、火葬までの期間を調整しつつも、赤ちゃんの状態を考慮して最適なスケジュールをご提案しました。また、遺影写真についてもご家族の状況やお気持ちを第一に考え、慎重にお話を進めました。「今はつらくて写真を準備する余裕がない」というお気持ちであれば、無理に作る必要はありません。後からでも作成できることをお伝えしました。このようなデリケートな場面では、一般的な進行ではなく、一つひとつの提案に気遣いと柔軟性を持たせることがご家族の気持ちに寄り添うことにつながると信じていると仰っていました。
悲しみを癒す時間
葬儀当日、家族葬ホールは柔らかい空間に包まれご家族がゆっくりとお別れの時間を過ごされました。悲しみの中にも、赤ちゃんを大切に送り出すために精一杯の愛情を注ぐご両親の姿がとても印象的でした。

葬儀後にいただいたアンケートには、感謝の言葉が綴られていました。ご家族の選択と私たちの提案が、赤ちゃんにとって最期の温かい贈り物となることを心から願っています。その後も、四十九日の法要や供養についてご相談をいただきました。このご家族にとっても、赤ちゃんとの別れは一生忘れられない出来事です。悲しみの中にも、愛情を込めて送り出すことができたという記憶が、やがて少しずつ癒しに繋がりますように。

【担当者の一言/石川さん】お父さまとお話しをさせていただいた中では信頼を得られる事はできたが、お母様と実際にお会いしてお父さまと同じように信頼をしていただきこんな風にあんな感じでと希望に沿うように施行できるように心がけました。悲しみの中にも今後お客様が、振り返りができる葬儀となるよう誠心誠意おこないました
株式会社しんこう(セレモしんこう)
〒306-0411
茨城県猿島郡境町21-1
TEL:0280-87-8940
【取材後記】形だけの提案ではなく、温かな心配りと柔軟な対応でその想いを受け止める姿勢が、最終的に「この場所で送ってあげたい」という信頼に繋がったのだと感じます。改めて葬儀という仕事の尊さを感じるとともに、「寄り添う姿勢」がいかにご遺族の心を救うのかを考えさせられました。
