エンゼルケア
「死化粧・エンゼルケア」とは、人が亡くなった後に施される一連の死後処置を総称した言葉です。
エンゼルケアは、故人の尊厳を保ち、遺族が故人と美しくお別れできるようサポートするために行われます。遺体を優しく洗浄し、髪を整え、顔に化粧を施すことにより、故人を生前に近い、平穏で美しい姿で家族や友人に見送ることができます。
エンゼルケアの目的
エンゼルケアの具体的な内容には、医療器具の外し、治療でできた傷の手当、身体の清拭、各種穴の脱脂綿詰め、着替えなどがあります。そして最後は、死化粧を施し、故人の顔を自然な表情に整えます。故人が苦しんでいた際の跡をなるべく残さないようにすることも、このケアの重要な役割です。
死化粧・エンゼルケアの目的は、故人への最後の敬意を表し、遺族が故人とのお別れを少しでも心安らかにできるように支援することにあります。また、遺族にとっては、故人が美しく、穏やかな状態であることが、悲しみの中にもやすらぎをもたらし、心の癒しにつながります。
湯灌(ゆかん)、エンバーミング、エンゼルケアの違い
昔は、遺体を清めるために「湯灌(ゆかん)」という方法が使われました。
湯灌とは、遺体を浴槽に入れて洗う儀式で、これには故人を清めると同時に死後硬直をほぐす意味があります。エンゼルケアは湯灌よりも手順が多岐にわたり、故人を生前に近い姿に戻すことを目的としています。
また、エンバーミングとの違いは、エンゼルケアは主に遺体を一時的に美しく保つための処置です。エンバーミングは遺体の長期保存を目的としており、より専門的な技術が必要です。
まとめ
エンゼルケアは、元気だった頃の故人を思い出し、悲しみを乗り越える助けとなります。
人生の最後の姿を美しく整えることで、故人の人格や尊厳を守ると共に、遺族の心のケアにも繋がります。