自然の中での天国葬【エンディングライフサポート】

桜の木の下で、喜びの涙と笑顔の中

残された人たちの希望になったお見送りでした。

仲間との別れ

京都府と奈良県も境に位置する大阪府枚方市にある「ヘブンリーガーデン」。「幸せの宿る野菜」を一緒に育ててきた仲間との突然の別れ。三年前の桜が綺麗に咲く春の事でした。こんなお見送りのカタチもあるんだよ、とたくさんの方に知ってほしいとのことで、葬儀を依頼した「ヘブンリーガーデン」代表の塩井さんからもお話を聞かせていただきました。

塩井さんは身寄りの無い方たちと農業をしながら生活をしています。今から10年程前、お世話になった牧師先生からもしもの時に、といただいた葬儀社のチラシを思い出し一本の電話をかけました。「大丈夫ですよ、すぐ伺いますね」と心強い励ましをいただいたそうです。「広大な山でみんなで畑を耕し野菜を作ったりして、自然の中で一緒に生活しているので、そこの桜の木の下でみんなでお見送りをしたいのですが、、、」と相談すると、担当の田手原さんは「やりましょう!やりましょう!」と仰ってくれたそうです。

天国葬

自然溢れる中、桜の木の下で行われた葬儀はたくさんの仲間たちの発想が取り入れられ、みんなで作り上げた「参加型」のお見送りになりました。〇〇さん召天礼拝と書いた名木を作り、棺には全員で絵やメッセージを書き温かみのある棺が完成しました。一人一人メッセージを読み上げ、故人の為に特別に作詞作曲された歌をみんなで歌い、旗を振ったりと葬儀に思えない葬儀だったと塩井さんは笑顔でお話をされていました。

葬儀の前に、疎遠になっていた故人のお姉さまと連絡を取ることができたそうです。ご高齢だったこともあり来ることはできませんでしたが、電話を繋げて参加していただいたそうです。一人一人のメッセージを聞いていただき「弟はこんなにもみなさんにお世話になって、幸せな人生だったんだね」と、最後には遺骨を引き取りたいと申し出てくれたそうです。

心温かく優しい故人の姿

一つ一つ、棺や献花について時間をかけて確認してくれたので、綺麗な棺もいいけど平棺にメッセージを書いてあげたい。献花は野に咲いてる花をみんなで取ってきて心をたむけるという意味でたむけてあげるのはどうかなと、彼にふさわしいお見送りをみんなで作り上げる事ができた。と塩井さんは仰っていました。

担当の田手原さんは、お打ち合わせや準備をしている時に、故人さんは心温かい優しさがある方だったんだなと感じたそうです。『お客様』ではなく、みんなが『主』となって行われたお見送り。葬儀社としても一個人として私も参加させてもらって、一緒になってお見送りをさせてもらい、とても心に残る葬儀だったと仰っていました。

秋の天国葬

葬儀後、塩井さんの父が「これはわしのリハーサルじゃ、また頼んだよ」と担当の田手原さんにお話ししていたそうです。その際にお父さまが育てた大根を抜かせていただいたそうです。

くしくも半年後にお父さまとの突然の別れがきました。同じ場所でたくさんの人にお見送りをしていただき、お父さまの願い通り、みんが笑顔で「いってらっしゃい!」とお見送りしたそうです。あの時の大根がお父さまが育てた最後の大根でした。一本の大根のありがたみ、塩井さんのお父さまがくれたお礼なんではないかと感じたそうです。

お見送りのカタチ

エンディングライフサポートさんは、関りを大事にしてるのをわかってくれて、サポートしてくれた。葬儀を通して、大きな家族になれた。別れは辛いけれど、その人が生きた意味を味わい、心を尽くし故人の為のお見送ができた。残された人たちの希望になったお葬式。宝であり、みんなの心に刻まれた。感謝でいっぱいっと仰っていました。

【担当者の一言/田手原さん(左から二番目)】亡くなられた方のお人柄を大切におひとりおひとりがおみおくりをなされる想い 寂しさや悲しみの中にも幸せな人生やなとお手伝いをさせていただきました。

取材協力

株式会社エンディングライフサポート

〒545-0052 大阪市阿倍野区阿倍野筋5-13-10-1002

TEL:0120-80-5787

【取材後記】故人の為に一人一人が考えて行われた「天国葬」。既成概念にとらわれず、思い入れのある場所でのお見送りに故人も喜んでいるのではないでしょうか。担当の田手原さんは、故人を尊重しみんなの意見を聞き入れながら、お客様が納得するまで待つスタイルだと仰っていました。「天国葬」は新しいお見送りの一つだと思いました。

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