賑やかなお別れで、故人らしいお見送りを。
繋がりの強さを感じるお式になりました。
任せれば安心
今年の3月に70代半ばで病気で亡くなられたご主人。故人は今回葬儀を執り行った、地元に根差した老舗の葬儀社「荘厳社」の創業者の幼馴染で、仕事だけでなくプライベートでも仲が良かったそうです。故人は生前早い段階から奥さまに、もしもの時は「荘厳社」に任せればいい。任せれば安心と仰っていたそうです。
家族の想い
故人は賑やかなことが大好きで、地元での大きなお祭り「鹿児島神宮 初午祭(かごしまじんぐう はつうまさい)」には昔から毎年参加していました。このお祭りは、馬に飾りや鈴をつけた「鈴かけ馬」20数頭が踊り連を引き連れ、太鼓と三味線の演奏に合わせダンスをするように練り歩くお祭りだそうです。
大々的な昔ながらの葬儀に戻るか戻らないかのコロナ緩和少し前でしたが、賑やかなことが大好きな故人の想いを引き継ぎたいご家族の希望は、「なるべく多くの方に来ていただき、昔の様に食べて飲んで賑やかに送りだしてあげたい」と。なるべく希望に近い形のお式になるよう、通夜振る舞いを行い賑やかに送りだす事となりました。
お通夜当日
お通夜当日、たくさんの友人や親戚が参列しました。祭壇近くにはモニターを設置し、昔の思い出のDVDを流しました。そこにはの昔の初午祭の様子も流れており、懐かしむように見ながら、思い出話に花を咲かせました。お写真もたくさん飾り、お祭りで使っていた道具も飾りました。
故人は初午祭では太鼓を叩いていたそうで、今は甥っ子さんが引き継ぎ叩いているそうです。おじさんに教えてもらった事を通夜振る舞いでしてあげたいと、数名で三味線や太鼓を演奏し故人を偲びながら、楽しいひと時を過ごしました。
賑やかな風習
初午祭は毎年2月に行われるのですが、コロナでずっと中止になっていました。今年久々に開催されたので、尚更今回のお式は印象が強かったと思う。お祭り関係の繋がりは、家族ぐらいの強さがあると感じたお式だったと、担当の松下田さんは仰られていました。また、霧島地区では昔から通夜振る舞いを盛大に行う地域であり、他の地域からいらっしゃった方が驚かれることもあるそうです。故人らしいお葬式と感じた方が多く、ご家族の希望通り賑やかで悲しみの中にも笑顔が見られたお葬式になりました。
【担当者の一言/松下田さん】ご遺族、そしてご会葬の方々のお言葉や思いに触れることで故人の人柄が感じられるお式でした。葬儀の核はご遺族の想いにあります。限られた時間の中で、その想いをいかに形作るかが葬儀社としての務めと考えております。これからも大切な方の送り方を一緒に考える葬儀社でありたいと思います。
【取材後記】こういった繋がりを見て、地域の活動などのお手伝いがしたいと思い、最近は地域の様々な行事などのお手伝いをさせていただいている。葬儀は、人との繋がりの大切さを教えていただける場でもあると仰っていた松下田さんの言葉が印象的でした。多様化している葬儀ですが、昔からの賑やかな風習も大事にしていきたいと感じられるお式だったのではないでしょうか。